縁結びの神様の前で、まさかのプロポーズなしという事態に、さすがの私も焦りました。
そして、絶好のシチュエーションでありながらもなにも言わない彼に対し、怒りも感じました。
不満・怒りが大爆発!!
「なんでなにも言ってくれないの!!!」
頭に血が昇った私は、思わず大きな声で言いました。
なにも言わずに帰ろうとする彼に対し、苛立ちが収まりません。
続けてこう言います。
「あのね、これからの私たちのことなんだけど、横山くんはどう思ってるの?」
私の問いかけに対し、彼はなにもいいません。
いつもだったら私の質問にはすぐに返してくれるのに、このときばかりはなにも言いませんでした。
運転中ということもあってか、彼はしばらくなにも言いません。
私も彼の返答を待って、なにも言いません。
2人で沈黙です。
・・・
・・・
沈黙の時間が続きます。
数分後、彼の口が開きました。
「結婚のことは考えている。けれど、もう少し考える時間が欲しいんだ」
彼は前を見つめたまま、そう言いました。
”考える”なんてどうでもいい!彼を問い詰めます
“もう少し考える”って、この言葉はさんざん仲人さんから聞いていました。
仲人さんが彼に結婚の意思確認をすると、決まって“もう少し考えたい”と言っていました。
その言葉を、私は彼の口から初めて聞きました。
でも私はその言葉を聞き飽きています。
知りたいのはそこじゃない、“なにを考えたいのか”ってこと。
私はすぐに
「考えたいって、なにを考えたいの?」
と聞きました。
すると、彼は再び黙ります。
しかし、今度は私が黙りません。
「私は横山くんとの将来について、きちんと考えてるよ。考えた上で、これからも一緒にいたいと思ってる。
でも横山くんはいつも考えたいって言ってるみたいだけど、一体なにを考えてるの?なんか私のダメなところでもあるの?」
若干キツイ口調になってしまいましたが、自分の想いを彼に言いました。
それに対し、彼は
「いや、ダメなところなんてないよ。ただ考えたいだけなんだ」
とのこと。
「え、ダメなところがなくて、なにを考えてるの?」
「いろいろ考えてて、、」
「いろいろって?」
「まぁ、それはいろいろ、、」
「具体的に言ってくれないとわからないよ!」
「うん、まぁそれはわざわざ言うことじゃないし、それに結婚って、そんなに早く決めるものじゃないじゃん」
彼はなにを聞いても、本心を答えてくれません。
濁してばかりです。
途中、私も興奮していたことに気づき、冷静になろうと、問い詰めることをやめてしまいました。
そうこうしているうちに、私の自宅に到着しました。
このまま険悪な雰囲気で終わるのが嫌だったので
「さっきな変なこといってごめんね」
と謝りました。
すると彼は
「気にしてないよ、今日は楽しかったね」
と言ってくれました。
なにごともなかったかのように、いつも通りバイバイって手を振って、彼の車を見送りました。
結局この日、彼の結婚の意思確認はできませんでした。
コメント